連載
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「へぇー。意外と片付いてんな。」
高杉が俺の家に来ると言い出したのは昨日のこと。
いつでも来いよ、とは言ったものの、本当に来てくれるとは思っていなかった俺は、昨日慌てて部屋を片付けたのだった。
片付けたといっても軽く掃除をし、床に散乱していたマンガやらゲームソフトやらをしまったぐらいなのだが。
「お前、こんなんすんの?」
高杉が指差す先にはアイマスク。
「あー、それ総悟のだ。アイツまた置いてきやがって…」
「…ふーん。」
「それよりさ、ゲームやろうぜ。配管工と亀が戦うやつ。」
「いいぜ。」
今さっき分かったこと―
高杉はゲームが下手だ。
まあ、俺も上手くはないのだけれど。
「ハハ、また死んだ。」
「るせぇ、手元が狂ったんだよ。」
「でも何回も…」
「何回も手元が狂ったんだよ。…………チッ」
「またじゃねぇか。」
「るせー。」
むきになってゲームと格闘する高杉が新鮮で、気がつくと俺は顔を綻ばせていた。
「あ゙ー、もっかい!」
「ジュースいれたんだけど、飲むか?」
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