連載
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あれから数日間高杉は学校を休んだ。
先生なら何か知っているだろうと思って聞いてみると
『大丈夫、俺が毎日会ってるから。そのうち来るよ。』
と言われ、俺には会わねぇのに先生とは会ってるんだと思うとまた強い嫉妬心が生まれる。
そんな自分が自分でもイヤになる。
でも、それはどうしようもなくて…。
総悟と近藤さんと一緒に食堂で食事をとって教室に戻ってくると、俺の斜め後ろの席に鞄があった。
ここは…高杉の席のはずだ。
ということは…
「高杉が来たのか!?」
「ん…?高杉なら来てたネ。でも鞄置いてすぐ行っちゃったヨ。」
「俺、ちょっと行ってくるわ。」
「トシー!!昼休みもう終わるぞー!」
「授業始まりますぜィ!」
後ろの方で声が聞こえたが、そのまま走る。
高杉がいるとしたら、おそらく国語教室か…屋上。
屋上にいることを願いつつ階段を駆け足で上る。
「高杉!!」
名前を呼びながら勢いよくドアを開けると、
彼はそこにいた。
「よォ、土方。」
授業開始のチャイムが小さく聞こえた。
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