連載

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4時限目の終わりを告げるチャイムが鳴る。

それと同時に生徒たちはがたがたと席を立つ。


「高杉」


寝ていた俺もその声に顔を上げた。


「お前今日弁当?」

「購買」

「俺も。じゃ、買いに行こうぜ」


おう、と言いながら立ち上がる。

それからきょろきょろと教室を見回した。


「あれ、沖田は?」

「チャイム鳴った瞬間走ってった」

どっか行ったのか、なんて土方と二人話しながら階段を下りて行く。

目的の場所が近づいて来ると周りが騒がしくなってきた。

生徒たちの間を掻き分けて進む。

しかし一番選びやすい最前列は当然のように混み合っていて入り込む隙間はほとんどない。

後ろから覗いて選ぶしかないのだが背の高い男子たちの壁がそれを阻む。

これはもうあれしかない。

こいつに頼るしか。


「おい、土方。パン何ある?」

「えーと、サンドイッチ、カレーパン、あんパン、クリームパン、焼きそばパン、」


「クリームパンと焼きそばパンでいい」


「…俺に買えと?」


「当たり前だろ?金は後で払う」


「焼きそばパン遠いしあと1個なんだけど?」


「お前なら取れる」


土方ははぁ、と溜め息をつきながら強引に人の波に押し入って行った。

ちょっと離れてそれを見守る。


えーと、パン買ったから後は飲み物だな。

ミルクティーにしようか、コーヒーもいいな。

そういえば銀八は苺ミルクが好きだったなぁ、ぼんやり考えながら足は購買の裏手にある自販機に向かう。



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