連載
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そこにもそれなりに人がいて。
間から見えた栗色の頭に歩み寄った。
「沖田、お前どうし…、!!」
「お、高杉も購買ですかい」
「ああ、で、えっと…?」
沖田と隣の白衣を交互に見る。
「沖田くん、カフェオレでよかったっけ?」
「あ、やっと買う気になったんですかい?」
俺たちに背を向け自販機のほうを向いて小銭を出す銀髪を見上げた。
「旦那が腕相撲に負けたから奢って貰ってるんでさぁ」
「沖田くんに負けるとは思わなかったからさぁ…」
「え、お前沖田より弱ェの!?」
突然背後から声が聞こえてびくりと肩が跳ねる。
「土方、脅かすなや…」
「人に買わせといて置いてくお前が悪い」
「……」
たしかに土方の言う通りなのでパンを受け取った後小さく謝っておいた。
「で、総悟に負けたのか?」
「沖田くんが細工するからさぁ」
「細工なしなんて言われてねェんでね」
「細工しなければ俺が勝ったのにぃー」
「旦那、負けは負けですぜ」
ガタンという音とともに落ちてきたカフェオレを銀八が取り出し、沖田に渡した。
「俺も勝ったら奢ってもらえんのか?」
「いいけど、多串くんじゃ俺には勝てねぇよ?」
「その言葉そのまま返すぜ」
二人が睨み合う。
ビリビリとした空気が流れる。
沖田は俺の隣で面白そうに眺めていた。
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