連載

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がらりとドアを開けて銀八が出て行く。

朝のSHRが終わった。

以前までならばすぐに後ろを向いて斜め後ろの席の高杉と話をするのだが、最近はそんな気になれなくて。

今日も一時間目の授業に使う教科書を引っ張り出す。

予習感覚でその教科書を読んでいると横から強い衝撃を受けた。


「うお!?」


体勢を立て直し元凶を見遣れば、やはりそこにいたのは思った通りの人物であった。


「課題のノート見せて下せェ」

「…普通に話しかけてこれないのかお前は」

「まあまあ。」


ぶつぶつ言いながらもノートを鞄から取り出して総悟に渡す。


「ほらよ」

「ありがとうごぜーやす」


パラパラとノートを開き今日の課題のページを見つけた総悟は俺の机を使ってそれを写し始めた。


「俺今予習中」

「へえ」

「…自分の席でやんねぇの」

「後ちょっとなんで」


仕方なしに総悟に写されていくノートに目を向ける。

総悟の字は丸っこい。

俺の字はもっと硬筆の見本に近い字で、高杉の字にちょっと似てるんだよな。

そんなことを考えていたらじっと見つめているように見えたようで総悟に嫌そうな顔を向けられた。


「そんな見つめないで下せェよ、気持ち悪い」

「見つめてねぇから!」

「熱い視線向けられても俺ァ…」

「向けてねぇし!偶然だ偶然!」


背後で席を立つ音が聞こえた。








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