連載

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「跳躍素振り200回!」


道場に声を響かせる。

それに掛け声と、床を蹴る音が続く。


「…5、6、7、8、」

「声が小さい!追加30!」

「11!12!13!」


大きくなった声に自分の声も重ね、思い切り竹刀を振るった。

何かにぶつけたい気持ちを込めて。

竹刀よりも、真剣でも振り回したい気分だった。


素振りは結構体力を使う。

見かけよりも重い竹刀を、全身で振るうのだ。

いつもの200回と勢いで指示してしまった30回をやり終えてはあはあと息を整えていると、総悟と他の部員が話す声が耳に入った。


「沖田先輩、副部長、どうかしたんですか。」

「どうか?」


自分の名前が出るとあまり良い気分はしない。

どうせ良いことではないのだろうしな。


「最近以前にも増して機嫌悪そうだし、ギスギスしてるし…」


ああ、と頷いて俺に視線を向ける。

見ていた俺は必然的に目が合ってしまい、気まずさもあってふいと顔を背けると、声を張り上げた。


「二人一組で掛かり稽古!」

「トシ、まだみんな休んで…」

「近藤さん、んな甘いこと言ってちゃだめだ」


言葉を遮って、稽古開始と繰り返す。

不満の声をギロリと一睨みすれば、静かになる空気。

部員たちが組を作ったのを確認すると、仕方なしに向かい合った近藤さん相手に構えの姿勢を示した。


「トシ、程々にな」

「わかってる。…行くぞ」


いつものように先に受け手となる近藤さんの竹刀が下がったところで、面を打ち込んだ。







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