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もしものはなし
もしもさー、彦星になれるとしたら、ボクたちの中で誰だと思う? 万太郎君がそう質問してきた。
「へ?」
「もうすぐ『たなばた』なんだろ? 織姫と彦星が離れ離れになるっていう……」
キッド君の補足が入るが、それでも万太郎君の質問の意味は理解できなかった。
「もしもの話だよ。お前が織姫だったら彦星は誰を選ぶかっていう」
「ふーん。……そうだなー」
team-AHOのメンバーが真剣な表情でわたしの返答を待っている。そんなにマジにならなくても。……もしもの話なんでしょ?
「うん、決めた」
「誰!」
万太郎君が身を乗り出してわたしに迫る。そんな彼に申し訳なく思いながらわたしは、
「セイウチン君かな」
「ゲェェェェッ?!」
「本気か?!」
「セイウチンに負けたー!!」
「オ、オラァ?」
「うん。セイウチン君なら、泳いで会いに来てくれるよね? だからセイウチン君!」
皆声を上げて驚いている。名指しされたセイウチン君さえも。
「本当に、オラでいいだか?」
「うん、セイウチン君がいいの。ということでセイウチン君、今度海に行くから、水着を選ぶの手伝って!」
顔を赤らめるセイウチン君の手を取り、わたしはキン肉ハウスを飛び出した。
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