少数お題

□帰りたくないって言ったら、困る?
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 好きな人ができた。少し年上の、大人っぽい女性。
 初恋だった。声を聞くだけで、ドキドキする。
「どうすればいいと思う、スカー?」
 経験豊富そうなスカーに相談することにした。でもコイツ、意地悪だから教えてくれるかはわからない。

「……なにがだよ?」
 迷惑そうに顔を歪めて、スカーは俺を睨む。100%のジュースがなかったからか、機嫌が悪いらしい。
「好きな人にアピールにするには、どうすればいいんだ?」
 俺が改めて問い返せば、同じHF二期生の三人はどよめき、言った。

「……お前、師匠意外に好きな奴いたんだな」とスカー。
「グギ……レーラァラブじゃなかったのか?」とデッド。
「ウルフ先生に赤飯頼むか?」とクリオネ。
 ……お前らが普段俺をどう思っているか、わかったような気がする。

「あー、わりーわりー。……そうだな、こういうのはどうだ?」
 スカーは一言、俺に耳打ちするとにやりと笑い、ファーストフード店を出て行った。
 ……え、今スカー、なんて言ってた? スカーの耳打ちした言葉を思い出す。
「ジェイド、どうした?」
「顔、赤いぞ」
 そそそそんな言葉、言えるわけないだろおおおっ?!
「ななな、なんでもないっ! なんでもないっ!!」
 次に会った時、どんな顔をすればいいんだよ! スカー、恨むぞ。
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