Law
□ep.1
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暗い、重い――
体がどんどん、沈んでゆく。
何だろうこれは?
自分の上に水面の様なものが見える、でも何も無い。
見えない筈の背後がよく分かる、やはり何も無い。
ただ真っ暗で、その暗がりに向かって自分は落ちていく。
何故だろう、何故自分はこうなっているのだろう。
私は――どうして、落ちてしまったのだろう?
ぼんやりと、頭で考えてみる。
でもやっぱり駄目だった。何も出てこないし、まともに考えなど浮かばない。
分からないのならいっそ、眠ってしまおうか。
揺られながら落ちていくのも悪くない、気持ち良く寝れそうだ。
このまま瞼を閉じてしまえばきっと、ゆっくり眠れる――
「……おい」
突然波紋をたてたのは、貴方の不機嫌そうな声でした。