☆快楽の奴隷の詩☆

□天使が舞い降りた夜
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「おい!早くしろよ!LIVEはじまんぞ!」
俺が彼に早くステージの端に来るように促す
「ちょっ待て!イヤモニがねじれてる!」
彼が背中に手を入れイヤモニを直しながら、俺に満面の笑みを向ける
「じゃ!今日も成功するおまじないな!」
俺はそういいながら彼にキスをした


彼との出会いは突然だった…
それは今から17年前に遡る
俺が20歳の時まで戻る
俺はそん時、田原と中川ともう一人とバンドを組んでいた
そのもう一人がそん時のヴォーカル
そいつがいきなり抜けるとか言い出して、散々3人で引き止めたんだけどダメだった
夜中の3時過ぎ、一人でホゲーっともういいやと思いながらスタジオからでたとこの道を歩いていた

…♪〜♪♪〜…

どっかから歌が聞こえる
それも俺らのバンドの歌だ
しっかし、辞めたあいつより上手い!格段に上手い!声のトーンが違いすぎる!
誰が歌っているんだと周りをキョロキョロすると車の通りも少なくなった道の上にある歩道橋の上で羽が生えた男が歌っていた
「えっ???天使???」
俺は軽く叫んでしまった
目を擦ると歩道橋で歌っていた彼の背には羽がない
見間違えかと思い、歩道橋まで走っていく

…♪〜♪♪〜♪♪〜…
澄んだ声、漆黒の髪、目を瞑って歌っている男がいる

「あっ…あの〜?」
俺が彼に声をかけた
「♪〜…?何?」
彼が目を開け俺に微笑んだ
「その歌…」
俺は軽くオロオロしながら彼に言った
「えっ?あぁこの歌いいですよね!でも悲しい気持ちになりますよね」
彼は俺に少し悲しい表情をみせてまた歌いだした

驚いた…なぜわかったんだ??
この歌ギクシャクしてたときに作ったってわかったんだ?ほかの人には楽しい歌って言われるのに…

彼が歌い終わるまで俺は彼の横で歩道の下の車道を眺めていた

♪〜♪…

しかし心地よい歌声だな〜と思っていると、彼の歌声が止んだ
????
なぜ?と思い彼をみると
スースー寝息を立ててその場に座って寝ている
「ねっ…寝るなよ!おい!おきろ!!」
俺は慌てて彼の頬をペチペチと叩くが起きる気配なし
仕方なく俺は彼を背負いマンションまで帰った
軽い…俺が彼の背負ったときの感想がこれだ
空気のように軽いとても軽い

マンションのドアを開け、俺の部屋のベッドに彼をゆっくりと下ろす
カーテンを閉めようとした瞬間、彼の身体が淡く光るのを見た
とても綺麗な現象で見惚れてしまった
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