novel.s

□甘えたちゃん
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『アレーン』



「はい?」



『アレーン』



「なんですか?」



『アレンー』



「なに〜?」



『アァレーン』



「………ん〜?」



『アーレーンー』



「…………」



『アァレェンンンン』



「……うるさいですよはぁる。」


さっきからコレの繰り返しだ。


はぁるはボクの名前を呼ぶだけで用件を言わない。



まったく、何なんでしょう?



『アレーン!』



「はぁるちょっと静かに。
この本読んだら構ってあげますから。」



そうそう、今良いとこなんだよ。



『……』




あれ?黙った。

諦めたか、むくれたな。


そう思って後ろを振り向こうとすると、




ガバッ!

「!!」



びっくりして横を向くとすぐ近くにはぁるの顔

てか、笑顔。



『やっとこっち見てくれた♪』



「!」



そう言ってぎゅうっと抱き付いてくるはぁる



…まったく



「はぁるここおいで。」

本を閉じて膝の上をポンポンしてやる。




いかにも嬉しそうな顔で飛び乗ってくる



『ねぇアレン、本じゃなく私を見て』



「はいはい。」


髪を撫でるとくすぐったいのか少し身をよじった。



その間もアレン、アレンとボクの名前を呼び続けるはぁる







ボクは恥ずかしくて素っ気なったり自分から甘えたりは出来ないから

何の躊躇いもなくくっついてくるはぁるが凄くありがたい。



「愛してる」とか「可愛い」とか愛の言葉一つも言ってあげられないボクだけど


必ずはぁるの所に帰って来るから、


『アレーン?』


「ん?」


『だあぁいすき!』


「はいはい。」



その代わりキスを贈るから、


『えへへ〜//』



ボクだけのはぁるでいてください。






(明日の任務が終わったら「愛してる」と言おう。)
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