長編

□君と俺とが歩く道 2
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優恵ちゃんと同じクラスになって3日目。
今日の6時限目は委員会決めなんやって。

「ねぇ、忍足君は何委員会に入るのー?」

クラスの女子が話しかけて来よった。

「ん、俺か?あー、全然決めてへんわぁ」
「え、そうなの?
じゃあ一緒に運動活動委員会入らない?」
「いや、忍足くんは校外活動委員の方がいいって!ね?」
「まぁ、考えとくな」

さらっと受け流す。

すまんなぁ、俺は自分らのやる委員会に全く興味無いんや。
一応、海外交流委員やるって決めとるからな。
まぁ、そんなこと言うてしもたら、またなんや自分もやるー言う女子来そうでめんどいから言わへんけど。

おっ、優恵ちゃん発見や。

「なぁ、優恵ちゃんは何委員やるん?」
「私はやっぱり報道委員かなぁ」
「へぇ、優恵ちゃんにぴったりやね」

優恵ちゃんはよう喋るし、前に報道委員やっとったときも、新聞部顔負けのインタビューしとったわ。

それに、文章書くのも得意な方らしく、文系の委員会や部活からの勧誘が絶えんらしい。

ただ、すっごいのは文系だけで、運動と理数はめっぽうダメなんやって。

なんかほんま女の子って感じやな・・・。

「私、そっち方面しか出来ることないしなぁ。
それ以外は全っ然だめ」

そういいながら苦笑する優恵ちゃん。

「そんな謙遜せんでも、優恵ちゃんは充分すごいで?
もっと自分を褒めなあかんよ」
「いやいや、ほんとそんなこと無いんだって。
こないだまでずーっと跡部に『お前はほんとドジだよな』って言われ続けてきたんだから」

顔の前でぶんぶん両手を振る優恵ちゃん。

仕草が小動物みたいで可愛ええんは良えんやけど、やっぱりあかんな・・・認めさせな。

俺がそう思って「ちゃう」って言おうとした瞬間、教室に先生が入ってきた。

「また後でな」

優恵ちゃんにそう言って、自分の席に戻る。

「はい、それでは、これから前期の委員会を決めます。
まず最初に学級委員をしたい人は・・・」
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