テニプリ童話劇場

□シンデレラ〜氷帝編〜
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シンデレラは、今日もまま母達にコキを使われています。

「おいシンデレラ!」
「はい、なんでしょうお義母様」
「さっきあそこの窓枠の淵にまだちょっと埃がついてたんだよ、お前ってマジで激ダサだな!
早く掃除してこい!」
「わかりました、お義母様」

急いで掃除道具を持ってそこへ走って行こうとするシンデレラ。
今日もシンデレラは扱を使われて・・・

「ちょっと待てシンデレラ」
「な、なんでしょうお義母様」
「・・・あー、なんか、いつも悪ぃな、パシリにしたり扱き使ってよ・・・」
「いえ、私も好きでやっていますので、お義母様もお気になさらないで下さい」
「そ、そうか?ありがとな」

扱を使われて・・・

「シンデレラ、悪いけどこのドレス仕上げしてたたんどいてくれね?」
「はいっ、わかりました岳人お姉様」
「とりあえず染み抜きとかはギリまでやったけどまだ完ぺきじゃなくてよー。
とりあえず、残りの染み抜きやってみそっ」

扱を・・・

「シンデレラ〜、このムースポッキー一緒に食べよー?」
「あ、ジローお姉様ったら、また口元に食べかすがついてますよ?」
「え、ほんとー?シンデレラ、取って欲しいC〜っ」
「・・・っと、はい、とれましたよっ」
「わーっ、ありがとーっ!お礼にムースポッキーあげるよ〜」
「ありがとうございます、お姉様っ!
うわ、なにこれめっちゃ美味しい」
「でしょでしょっ!これ、こないだ出たばっかで・・・」

ちょっとみんな?
あんまりいつも通りの感じで好き勝手やられると、ナレーションの俺が困るんだけど。

「あ・・・滝ごめん、ちょっといつものノリになっちゃった」

わかってくれたならいいよ。
さぁみんな、優恵ちゃんをいじめて?

「そ、そう言われてもな・・・いじめ辛ぇだろ」
「確かに、女の子をよってたかっていじめるなんてかっこ悪E〜っ」

そんなこと言われても困るって。
一応これはシンデレラのお話なんだよ?

「そっかー・・・なぁ優恵、いじめても大丈夫か?」
「うんまあ、一時的な物だし大丈夫だよ。っていじめてもいいかなんて聞かれたの初めてだよ。
でも、あとでパフェ奢ってね」
「あー・・・仕方ねぇ、それぐらいならいいぜ」
「よし、じゃあ始めよー!」

やれやれ、全く手がかかるんだから・・・。


・・・そして、そんな日々が続いたある日のことでした。

彼女のお屋敷に、4通の招待状が。

それは、お城で開かれる舞踏会の招待状でした。

「すっげ、すっげーよ!!お城に行ったら美味しいものも食べ放題だCーっ!!」
「なぁ、お城にはすげぇでかい鳥とかいんのかな」
「おまえら静かにしろ、いいか?これはチャンスだ。舞踏会でこの国の王子と踊って、それで気に入ってもらえりゃ、結婚出来るかも知れねぇんだぞ」
「「結婚?」」
「そうだ、結婚だ」



「なぁ宍d・・・いや、お母様。
この国の王子って、あいつだよな?」
「あぁ、そうだぜ?お前達もよく知ってんだろ」
「でもなぁ〜、俺、あいつと結婚なんてしたくないかも〜」
「ま、話の中でだし、そこんところは別に気にしなくて良いんじゃねぇか?」

・・・ごほん。話を元に戻しても良いかい?

「お、おう!(ほら、お前らちゃんと喜べ!!)」

「まぁ、なんて素敵なのー」
「本当だわ、ちょーうれCー」

・・・ま、いっか。


「あの、お義母様・・・」
「なんだシンデレラ」
「その舞踏会、私も行けるのですか?」

まま母の持っている招待状を見つめながら問うシンデレラ。

ですが、そんなシンデレラの視線を無視し、まま母は冷たくこう言いました。

「駄目に決まってんだろ。
第一、お前は来て行くドレスすらねぇし、もしあったとしても、そのぼさぼさな髪の毛にあかぎれだらけの手で行って恥をかくだけだ」

ショックを受けるシンデレラ。

無理もありません。なにせ、シンデレラはお城にいくのが夢なのですから。

シンデレラに与えられたチャンスは、無残にも一瞬で消えてしまったのです・・・。



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