オリジナル

□red
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「よう、昨日も快勝だったな」

「見てたのか」


今僕がはまっているPCゲーム

red

格闘ゲームだ
世界観が禁止区域の中傷っぽいとかで話題を集めた
同じ名称の4つのランクに分かれている

一番下がハート、次がダイヤ、クラブ、一番上がスペード

それぞれのランクにはランクマスターがいて10連勝するとランクマスターに挑む権利を与えられる
ランクマスターに勝つと次のランクに進める

この制度が実際にあるとされる奴隷の人たちを戦わせる闘技場とそっくりと言われている

大人たちはこのゲームを嫌う

が、子供はそんなこと気にしていない
人気ランキングNo.1をもうどのくらいキープしているかは忘れた




「次の対戦勝てばスペードのランクマスターに挑む権利が与えられる。そんなの今お前くらいだろ?俺じゃなくても見るって」


このゲームには観戦システムもあり
実際にプレイヤーとして登録していなくても対戦を見ることができる


「今はな、今まで挑んだ奴結構いるだろ。今更珍しくもないだろう」

「ばーか、お前は特別だろ。ゲーム始まって以来の天才プレイヤー。今までランクマスター戦を含めて負けなしで勝ち上がり、最短記録でスペードランクマスター戦への切符を手に入れる
男」


「まだ、決まった訳じゃない。次で負けて挑めませんでしたなんて事になったらいい笑いもんだな」


「そんなわけないだろ、お前には敵わないさ、たとえランクマスター相手だろうとな」


友達といつもどおりゲームの話で盛り上がっていると
一人の少女が近寄ってきた

クラス一のいや学校一の美人と名高い神崎柚菜

自慢じゃないが僕は一度だって挨拶さえしたことがない

彼女の人を寄せ付けない雰囲気
病弱で、よく学校を休むことも助けとなりクラスのほとんどの奴が僕と同じ状況だろう

















「ルイ様」

「んー、何だい」

黒髪の似合う好青年はPC画面から視線を上げずに答えた


「例のプレイヤーのことでお話が」


例のプレイヤー、この言葉に反応する

「hayato?彼がどうかした?」

「次勝てばスペードマスター戦です」

「もうそんなところか、速いね」

「ルイ様自らお相手されるようにとのことですが」

ここでやっと顔を上げる

「マスター戦は決まった訳じゃない。それになんで僕自ら戦うのさ?」

通常ランクマスター戦の相手は各ランクに合わせて設定されたプログラムにやって行われる
実際に人間が操作することはない

「KINGが彼はプレイヤーになる。君が自ら実力を測ってくれ、とおっしゃっていました」

ルイの視線が鋭くなる

「了解、僕自ら相手をするよって伝えてくれるかい?」

「かしこまりました」



不敵な笑みを見せながら答えたルイ

「僕に頼むなんて人選ミスだよKING・・・。壊しちゃうよ?」

ルイ一人しかいない部屋には笑い声がよく響いていた
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