鋼の錬金術師

□生きたい
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「大佐、今しがたロス銀行に強盗が現れました。数5名、少女を人質に立てこもっていようです」




いつも通り書類に追われていたロイ・マスタング大佐とその部下達



そこに急遽知らされた事件



「犯人の要求は」

「逃走用の車の用意、ならびにマスタング大佐、ナイトレイ大佐の首だそうです。すでに、ナイトレイ大佐が現場に向かっています」


ホークアイ中尉が報告する



「また勝手に動いているんすか!?ナイトレイ大佐はっ」

「今回はたまたま現場の近くに居合わせてだけのようです」


ハボック少尉の口ぶりから、ナイトレイが普段から問題を起こすコトが多いのだとわかる



「ナイトレイ大佐は武器を?」

「いえ、武器は全てこちらに」





解っていても顔をしかめてしまう

ナイトレイ大佐の武器はロイの命により、全て取り上げられている

ナイトレイ大佐にはロイの命令がない限り、武器の携帯は許されていない


ナイトレイは国家錬金術師であるが

その練成に必要な道具も所持を禁じている




「急ぐぞ、ナイトレイがじっとしているとも思えん」


「「Yes,sir!!」」















「ナイトレイ大佐!いかがしますか?」

「僕が狙いなんでしょ?」

「マスタング大佐もです」



人質をとられ自分の首が狙われているというのに緊張感のかけらもなく話すナイトレイに、周りの兵が不安に駆られる





「マスタング大佐の首はあげられないからなーさすがに」


「あなたの首もですよ、大佐!」

「まあまあ、狙撃は?」

「窓から狙ってはいますが、犯人はかなり興奮していて下手に打てば少女に当たります」



しかも犯人は5人、一人撃っても少女の危険が増すだけだ

どの道射撃するならホークアイ中尉を待たねばならない




「しかたないな・・・」





銀行に一人で近づくナイトレイ



「大佐!」

「君達はそのまま待機!すぐにマスタング大佐が到着するだろうからそれまでしっかりー」





「誰だお前!?」

「動くんじゃねーよ!」


いきなり現れたナイトレイを威嚇する



「失礼、私は名無しさん・ナイトレイ大佐だ、人質を解放してくれないかな?」


「馬鹿かお前!?」

「無論ただとは言わないさ、僕が変わりになろう、そんな少女より大佐が人質のほうがいいだろ?僕を人質にマスタング大佐の首を取ればいい、その後で僕の首もとったほうが確実だ」


「…、武器を出せ」


「生憎と武器の携帯は禁じられているんだ、無論確認してもらってかまわないよ?」





強盗の一人が確認する



「いい体してんじゃねーか」


ニヤニヤしながら体をまさぐる

非常に不愉快だ



「ありがとう、こんな状況じゃなきゃ楽しめたのに」


「ははっ!いいね〜姉ちゃん、殺す前に遊んどくか!?」


「その前に武器がないのはわかったろ?早く少女を放しな」


「へいへい・・・おら、行け!」



少女が解放される

名無しさんは後ろで腕をつかまれ銃を突きつけられる





「…さて、少女の解放ご苦労」

「あぁ?あんまり粋がるなよねーちゃん」

「少女を解放した時点で君達の負けだ。僕に人質としての価値はない。マスタング大佐は優秀だ。僕もろとも君達を狙撃する命をくだすさ」


「あぁ?そんなわけねーだろ!!」

「どこに大佐を撃つやつがいんだよ」



名無しさんの言葉に同様し始める強盗



「まあ、マスタング大佐の手を煩わせることもないがな」


言うがはやい

拘束を自ら解き
腕をつかんでいた男を伸す



「てめぇ!!」


あわてて名無しさんに銃を向けるが遅い

近くにいた男の顔に蹴りをお見舞いする


残りの3人がいっせいに名無しさんめがけて銃を放つ

しかし、所詮素人
狙いが定まっていない

そんな銃などものともせず残りの3人も片付ける




「ダメだよ?武器がない程度のことで油断しちゃ」




外にはマスタング大佐が到着したようだった
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