学校生活

□三年生が卒業した(立海)
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全国が終わった。

中2の夏が終わった。




先輩の夏が 終わった


「赤也。おはよう」

次の日いつも通りの時間に登校してきた先輩達はユニフォームに着替えると颯爽と部室を後にした。


「赤也。今週は俺と練習しよーぜ」
丸井先輩が誘って来た。立海は基本ペア練習。毎週ペアを変えるのだ。そして相性が合えばダブルスを組む。

「珍しいっすね」
「そうか?じゃちやっちゃと始めるぜ?」

「よしっ決まったぜ」
「狡いっすよ!鉄柱当てと綱渡りばっか」
「何言ってるんだよぃ。取れるミスボールだってあるのに取らねぇのはお前だろぃ?」
「ぐ…」
「綺麗なテニスばっかしようと思うなよぃ?」
「はい!」


それからの2ヶ月の間、レギュラーの先輩から(幸村を除く)の指導、部活後は副部長と部長からの部長指導。
「はぁ〜…」
「どうした。赤也」
「副部長〜疲れたっす」
「たるんどるぞ赤也。そうだ。今日で俺との練習は終わりだな。分かってるな?小細工するならしつくせ。しないのなら真っ向勝負あるのみだ。生半可なプレーは認めん」
「分かってますって」

「赤也。じゃあまたやろうか。」
「部長!」
シャーペンを持った俺は部長に質
問してみた。
「部長は俺にテニス教えてくれないんすか?」
「さぁ。どうだろうね。真田に勝ったら教えてやる」
「部長!」
「ほら。そんなことより。勉強勉強」


そしていつのまにか先輩達は受験勉強に追われて引退。そして俺が部長。


3月

今日先輩達は卒業する。結局三強には勝てなかった。いや二強か…。結局部長とは戦ってない。

…寂しいな…

先輩達と過ごした時間が偉大すぎて。俺はどうやって生活すればいいんだろ。

「あ〜かやっ」
丸井先輩がうしろから覆いかぶさって来た。

「おいおいブン太!」
ジャッカル先輩
「切原君が死んでしまいますよ」
柳生先輩
「プリッ」
仁王先輩
「まったく。最後までたるんどるぞ」
真田副部長
「…とお前は言う」
柳先輩


「…っ。先輩っ。」
「おいおい泣くなよぃ!そんなに痛かったかよ?」
「寂しいっす」
「赤也…。」
一人泣く俺は先輩達から慰めてもらう。そこに部長は いない。


「切原。ちょっと来い。」
暫くして真田副部長が俺の事を呼んだ。ついたのは…

「テニスコート…?」

我が立海大附属中学のテニスコートだ。

そして中央に佇むのは…

「部長!」


「赤也。遅いよ
。早く着替えておいで」



「ワンセットマッチ!幸村vs切原!」

部長のサービスから始まった試合は部長の圧勝中。


5-0

もう後がない

「赤也!思い出さんか!」
「そうだぜ!俺らとの練習!」
「人は案外騙されるもんぜよ!」

先輩の声が聞こえる。

そうだ…先輩は俺ばかりかまって教えてくれたんだ。
1ポイントだけでもいい。
部長から取りたい!


「行くよ。赤也。」
部長がサーブを打つ。素早く動く。どんな球も拾いに行く。先輩達の教えが頭に駆け巡る。

「うぉぉぉぁっ!」



そして

「ウォンバイ幸村6-1!」

「ありがとう赤也。驚いたな。1gameとられちゃった」
「…」
「赤也。」
「部長〜」

俺は部長に抱きついた。

「ありがとうございましたぁ…」

「まったく。赤也は泣き虫だね。頼むよ。部員も。勿論全国優勝杯も。高校で噂が届くのを待ってるから」




そして先輩達は卒業していった。


今は全国大会決勝戦。青学vs立海


勝つのは…


「勿論立海だぜっ」





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