立海大家族
□授業参観A
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2-E
「エエよ俺なんて。金ちゃんとこ行ってきいや」
「エエの?健坊は」
「エエよ。」
「ありがとな。分かってくれて。恩にきるで」
「照れ臭いわ。」
「じゃあ」
「おん」
俺は次男の健二郎の教室を後にすると、六男の金太郎の教室へ向かった。旦那の千里が発情して長男の謙也から五男の光まで皆年子や。勘弁してほしいわ。光で終りや思ったらアイツゴムつけるの忘れよったからに…あー!子供は好きやけど多すぎてもいやや!金太郎大好きやけどな?千里の馬鹿!
とか考えとるうちに初等部1-Eについた。
「なぁコシマエ」
「コシマエ?おれ手塚なんだけど」
「エエやん。なぁコシマエ。」
「なに?」
「ワイのオカンきたら堪忍な。謙也がくればエエけど…」
「そうだね。今日に限って母さんだし…」
俺が後ろを向くと母の周助がニコニコしながらこっちを見ていた。金太郎のとこのお母さんと家の母さんもここ出身で、テニス部のライバル同士だったらしい。まぁ仲の良い友達?いわゆる親友らしいけど。
ガラッ
教室の引戸が開いた。入ってきたのは…
「オカン!」
「蔵之介さん?」
「…白石?」
「金ちゃん!オカン来たで!」
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