立海大家族

□入学式
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「ねぇ。蓮二。これ見てよ」
ある日母さんが古く分厚いアルバムを持ってきた。いや。正しくは後ろにいる父さんに持たせていた。
「なんじゃなんじゃ?」
母さんが持ってるものに興味を持ったのか家族全員集まってきた。「精市と寝室を掃除していたら出てきたのだ。」
「皆驚くよ。兄弟では誰も見たことないねこれは。まぁ比呂士と雅治は関係者だし。ブン太も小さかったから覚えてるかわからないけど。」
「なんだよぃ。」


「蓮二の小学校のアルバムだよ」


『えぇっ!』

兄弟全員突っ込んだ。当たり前だ。幼い自分など見せないにこしたことはない。全く母さんは…。


「見たい見たい!」
赤也が反応した。

「わかったから。」

母さんが1ページ目をめくると、桜吹雪の中「立青四帝学園初等部入学式」と書かれた看板の前に立つ父さんと母さん。二人に抱かれた比呂士と雅治。そして俺が居た。
内部進学なので写真なんて冷めたもんだ。俺が。

「うわぁー。蓮兄ちゃんちっせー。」
「赤也。まてよヒロ兄とマサ兄もかわいくないか?」
確かに。この頃の二人は天使みたいに可愛かった。タータンの半ズボンにブレザー。立青四帝の幼稚園の制服だ。

「でもね。この
後事件が起きるんだ。」

嫌な予感がする。まさか…

母さんがページをめくる。


そこには…


「蓮兄ちゃんが泣いてるよぃ!」

俺。大号泣の写真。



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