短編

□春風の贈り物
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『冷たい風が、段々と暖かくなってくる今日この頃。皆様、お出かけにはピッタリの一日になりそうです。』






「きゃっほーい!銀ちゃん、マヨ、今日はお出かけ日和だからよっちゃん達と遊んで来るアル!」




昨晩から泊まっていた土方と銀時、神楽は3人揃って結野アナの天気予報を見ていた。そして結野アナの先程の言葉を聞くやいなや神楽はあっという間に出ていってしまう。




「おー、気をつけろよー」



「いや、聞こえてねェだろ」





*************






そして時間は経ち昼時。春先の柔らかな陽差しが、土方の膝の上に頭を乗せジャンプを読んでいる銀時の銀髪を照らす。
普通逆じゃないのか、などと思った土方だが、銀髪をゆっくりと撫ぜているうちにそんなことはどうでもよくなった。
そして、たまには外で食べようと思い、銀時に声をかける。




「銀時、たまには外で昼メシ食うか?」



「ん?珍しいね、土方がそんなこと言うなんて。」



「っ悪ィかよ」



「ぜーんぜん。むしろ甘味が食べられるなら大歓迎。」



体を起こし、甘味が食べられるとニコニコ微笑む銀時。




「お前なぁ…」



「神楽も?」




呆れる土方を軽く流して尋ねる銀時にため息を落とすと、土方は「今から迎えに行くか?」と返し、銀時が頷いたのを見ると、頬に口づけを一つ落とし、二人は立ち上がった。




「ほら、行こうぜ土方クン」
















「あ、ツバメの巣。」



「は?」




背後から聞こえた声に、階段を降りかけていた土方は足を止めた。そして、声を出した本人の視線の先を追って万事屋の扉の上を見ると、そこには真新しい巣がひとつ。




「やった、ラッキー」



「ラッキー?」



「ううん、何でもねーよ。」





 
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