短編
□過去拍手
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ピンポーン
「ぱっつぁーん、出てくれやァ」
「何で僕なんですか!!明らかに銀さんの方が玄関近いでしょうが!僕、今和室にいるんですよ!?」
「新八〜出るヨロシ!」
「だから何で!」
「「駄眼鏡だからだ/アル」」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁあ!!」
いつもは滅多になることのない万事屋のチャイム。それが鳴り、いつものイスに座る銀時は和室の新八に声をかけた。押し問答の末にシャウトを炸裂させ、渋々玄関に向かった新八。扉を開けると、
「やぁ、新八くん」
ガラッ
「うん、見なかったことにしよう。泥だらけの桂さんなんて見てない見てない…」
「なーに、ぶつぶつ言ってんだァ?新八。」
「銀さん……!!」
「開けんぞ?」
「あっ、いや、ちょっ」
ガラッ
「何故閉めるのだ。早く中にへぶぅっ!!」
既に殴り飛ばされたが、桂が立っていた。ちなみに泥だらけ。
「どうしたんだよ〜ヅラァ」
「ヅラじゃない桂だ。それに一応恋人である俺を殴り飛ばすなど…」
「あ〜、はいはい。で?何でそんな泥だらけなんだよ。」
今、サラリと流したが、桂はれっきとした銀時の恋人だ。付き合いはかなり長い……らしい。
「真選組に追われてい((ガラッ 待て待て銀時!中に入れてくれ!」
「ふざけんなよ、何で俺が毎回毎回匿わなきゃいけねーんだ。」
「ーーーーー!!」
*********************
(で、何で結局俺は中に入れてやってんだ……)
あの後、結局桂を中に通した銀時。その張本人桂は……
「上がったぞ〜」
風呂に入っていた。泥だらけで上がるなと、銀時が放り込んだのだ。
「とりあえず俺の甚平着とけ〜」
「ああ、悪いな。」
程なくして出てきた桂は言葉通り甚平を着ている。しかし問題があった。
(………!!)
その問題に気づいた銀時は咄嗟に鼻と口を覆う。そうでもしないと色々危ないものが出てくるかもしれないからだ。
「む、どうしたのだ銀時。……それにしてもこの甚平少し大きくはないか?」
そう、問題は桂にとって甚平が少し大きめなこと。なぜなら、桂は身長は銀時と大差ないが、身体の線が細いから。そのせいで今にも肩からずり落ちそうになっている。
「いっ、いや、大丈夫だけどォ?」
「そうか。」
そう言うと、桂はソファーに腰掛けた。
そして銀時は……
(いや、あのね?声かければいい話なんだよ?でもやっぱアレはちょっと見てたいし……でも見すぎると何か色々なりそうだから………)
バカみたいなことを真剣に悩んでいた。
そして、悩む銀時と寛ぐ桂という意味の分からない空間になっているところに新八がやってくる。
「桂さん上がったんですね、ご飯か何か食べますか?」
「そうだな、何か頂けるとありがたい。」
「じゃあ適当に用意しますね。それと桂さん、」
「何だ?新八くん。」
「肩のとこずり落ちそうになっているんで直すことをオススメしま「ふざけんな駄眼鏡ェェェェェェェエ!!」
志村新八、死亡。
死因:銀時の飛び蹴り
享年 16
チーン。
end
おまけ
(それで、新八くんは何を言いかけたのだ?)
(テメーが知らなくていいことだっての)
(何となく、これは知らなきゃいけない気がするのだが…)
(いいんだよ知らなくて!)
どうしても見ていたい銀時なのでした、まる。
…あれ?これ作文?