短編
□Glad to have met
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「はぁぁ〜〜…作っちゃったよ銀さん。どーすんのこれ」
万事屋の机の上で頭を抱える銀時。視線の先には、小奇麗にラッピングされた箱がひとつあった。
事の始まりは3日前。
団子屋でツケの催促を聞き流しながら団子を頬張っていた銀時は、急に視界が陰ったのを感じて、顔を上げた。
「旦那じゃねーですかィ。」
「あれ、総一郎くんじゃん。」
顔を上げた先にいたのは沖田。いつもの如く名前を間違えた銀時に訂正し、話を続ける。
「甘味ですかィ?」
「うん。あっ、沖田くんツケ払ってくんない?」
「お断りしまさァ。土方コノヤローにでも払ってもらってくだせェ。ところで、」
「ん?」
「5日、土方に誘われやしたかィ?」
沖田の唐突な言葉に、一瞬ポカンとすると思い出したように「あぁ、そういえば」と頷いた銀時。
「何で沖田くんが知ってんの?」
「そりゃあ土方が誕生日恒例の宴会断ったからでさァ。」
沖田の口から出た言葉に再びポカンとする銀時。その反応の薄さに沖田は首を傾げると、ある仮定にいき当たったのか、ドS特有のニタァッとした笑みを浮かべる。
「もしかして、言われてないんですかィ?」
「…え?」
「土方、5日誕生日なんですぜィ?」
「…マジでか。」
「ええ。じゃあ、俺はこれで失礼しまさァ。」