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□にょーん。
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「お蘭〜。にょーん。」
「・・・南蛮風の挨拶ですか?」
「や。違うけど・・・・・・。」

蘭丸が首をかしげる。
信長は純粋無垢・・・かどうか分からない蘭丸の態度に焦る。
純粋無垢かは分からないが自分の感情と信長への想いは素直だ。

「それではどこの挨拶で・・・?」
「ううん。俺がただ言ってみただけ。
 深く考えなくて良いからね?」
「そう、ですか?」
「うんうん。」

実を言うと信長が言った『にょーん。』はミゲルが考えた物だった。
先程天正遣欧少年使節と会った信長は、
ミゲルに『にょーん。』と挨拶をされた。
その成り行きが、これだ。

「遊びのつもりだったんだけどなぁ。」
「・・・・・・僕との関係が、ですか?」
「え!?違うよ!?今の挨拶のこと!!」
「・・・ですね。」
「今のお蘭の声じゃない・・・?
 ・・・・・・ミゲル・・・。焼き討ちにするよ?」

蘭丸の後ろの壁の影に隠れるようにたっていたミゲル。

「すいません。焼き討ちだけはNOですね。」
「お前反省してる?」
「ええ。そこそこ。」
「よし蘭丸。焼き討ちの準備だ。」

お蘭から蘭丸へ呼び名が変わった。
信長がふざけているのかリアルにキレているのかは分からないが、
潔い声ではい、と返事をする。

「あ。蘭丸君、潔く返事しちゃうんですね。
 少しshockです。」
「お前の頭の方がショックだよ。」
「そうですか・・・。
 まあそれは置いといて、にょーん。」
「はい、ミゲルさん。にょーんです。」
「お蘭!?返さなくて良いよ!?」
「いえ。信長さんの小姓として知人にはそれ相応のご挨拶を・・・。」
「そんなに力のある挨拶じゃないから!」

信長が精神的にshockを受ける番になった。
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