狂桜鬼伝 弐

□百合という存在
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『………百合様を愛した罪。

俺達が百合様を愛さなければ
身体に変若水157を投与されずに…
増してや男性方に襲われずに済んだのに…』








俺は拳を力いっぱいに握り締めた。












平助「………その皐っていう奴も
ひでぇことするよな…………
お前らに百合の親殺させて
百合を自分の道具みたいに……」














海斗「…皐はずっとそんな感じだったんだ。
使えるものは使い。
いらないものは即座に切り捨てる。





俺達も皐の側近じゃなかったら
今頃この世になんかいねぇよ」















土方「…………陸斗、お前が言った言葉に
一つ疑問に思うことがあるんだが?」











土方様は俺に視線を向けて言った。











『………何でしょうか?』











土方「変若水157の副作用と皐は
言っていたようだが……


お前の時代の副作用は
山南さんが改良している変若水の
副作用と何処が違う?」



















『………山南様が改良している変若水は
体力の回復が速いことと筋肉の増強に優れています。
ですが副作用に血を見ると羅刹となり
更に血を求め狂い暴れます。











百合様もおっしゃいましたが
我々の時代の変若水157は
血を見るだけでは症状は出ませんが
身体に傷を負ったり血が触れることに
よって身体の全神経が反応し
疼き快楽を求める身体へと変貌致します。




何故血を求める身体から
快楽を求める身体へと
変若水の作用が変化したのは
わかりませんが、時代を経ての結果だと
俺は考えております。








それに加え、我々の時代の変若水157は
副作用は出ても自分にとって有利になることは
一つもないのです。」
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