狂桜鬼伝 弐
□百合と漆兄弟
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『その後百合様は九条家のお嬢となり
今に至るというわけです………。』
俺は全てを話し拳を握った。
原田「…百合は……ずっと抱えていたんだな?
一人でずっと…………」
海斗「……百合はな。
お嬢になっても`売り`と`殺し`の仕事は止めなかった。
基本、お嬢は何もせず俺達に
命令するのが仕事なんだ。
だけどあいつは止めなかった。
……いいや、止められなかったんだ……」
沖田「止められなかった?」
海斗「……皐が言っていただろ?
それがお前の生きる意味だって。
習慣になった百合の身体と感覚が
常に`それ`を求めてるんだよ。」
新八「じゃ…百合は……
それから何も変わっていないのかよ?」
『いいえ、変わったものが一つだけ。』
斎藤「それはなんだ?」
『百合様の心です。』
俺は静かに微笑んで言った。