狂桜鬼伝 参

□変若水の効力
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結局私の存在って…………



























……なんなんだよ………










私は歯を噛み締め拳を握った。














ザッ














斎藤「……肩は大丈夫か、九条?」









歩みよってきた斎藤は
布を取り出しながら言った。












『……………それより…………』












私は斎藤を睨みつけながら言った。
斎藤は私に布を差し出し無表情を装っていた。













斎藤「何n『何で、何で、変若水を飲んだ!!!!』











私は斎藤の胸ぐらを掴みながら言った。









斎藤より私の方が背丈が高いため
私は斎藤を見下げる形となった。














斎藤「……俺は俺の意志で変若水を飲んだ。
理由など持ち合わせていない。」













『!!!!!!』











理由などないだと…………



















『…………お前分かってんのかよ?
これで新撰組が羅刹になったのは
お前を含めて三人目だぞ………














それを分かってて…理由がないだと…。









ふざけんn「言ったはずだ。」














斎藤の真っ直ぐな瞳を見て
私は斎藤の胸ぐらを離した。














斎藤「……守りたいものがあると。」



















『…………その守りたいもののために…
羅刹になんかなったのかよ…………













その……………その守りたいものってなんなんだよ!!!』















私は斎藤に叫びながら言った。



























斎藤「……俺にも分からない………。
お前が……不知火に幾度も
傷つけられているところを
見たとき……………




俺の中で…………………
感じたことのない感情が溢れてきた…









そして…………その言葉が突発的に出た。







只……それだけだ………」
















斎藤の辛そうな悲しそうな顔を
初めて見た瞬間だった。
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