狂桜鬼伝 参
□忍び寄る影
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周りはすっかり陽も暮れ
橙色の光が私と海斗を照らした。
並んで歩くその影を見ながら
私は手に持っている団子の箱を見つめた。
あの後、屯所まで帰っている途中
真の目的だった団子を買い忘れ
また海斗と口喧嘩しながら走って向かった。
普段の馬鹿な海斗へと戻ったのはいいものの
暫く海斗のあの表情が頭から離れなかった。
考えても仕方ないか……
私は一つ溜め息を吐き
目の前に見える屯所まで足を早めた。