狂桜鬼伝 -九条家秘話-

□刺青の罠
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百合「外・・?」


陸斗「えぇ、近くですし心配いりませんよ。」


海斗「あっでも俺たちしか
いないから安心したらだめだぜ?」


早朝。
九条家の出入り口となる大門の前で
三人は話していた。


陸斗「それはどういう意味だ?
俺たちだけでは百合様をお守りできないということか・・?」


海斗「いや・・
何でそんなに怒るんだよ・・」


言い合う二人に百合は
大門から見える外へと視線を向ける。


百合「・・・・外・・・」


陸斗「・・・お前がいなくとも
俺は百合様をお守りすることはできる。

たとえ一人でもな。」


海斗「おいおい、それは聞き捨てならねぇな。
何で俺を邪魔者扱いするんだ〜?」


百合を後目に二人は言い合う。



海斗「大体から何で外に作ってんだよ!
専属の刺青屋を雇えばいいだろうが!」


陸斗「・・・そこを言いますか・・・。
どうして俺らがこの気を浴びながら
生きていけると思う!?

幼い頃から九条家につかえているからだろう!
外の者を突然ここへ招けば死あるのみだ!」


百合「・・・・まだ言ってる・・」


子供のように言い合う二人に
百合はため息交じりで答える。


ザッ


百合「・・・守られるのはお嬢としていけませんよね・・」


百合はそう言って一人大門をくぐる。


海斗「お前帰ったら覚えとけよ・・
絶対今回は百合が味方に・・」


陸斗「百合様はお前の味方には・・」



海斗と陸斗が大門の方へと
視線を移すと百合の姿がないことに気が付いた。



神楽「・・・・先に出て行ったけど〜?」


海斗「神楽!」


木の上で煙管を吸う神楽は
二人を見下ろしながら言った。


陸斗「それは大変です。
海斗行くぞ・・!」


海斗「おう!」


ザザザッ


二人はそう言って大門をくぐった。



神楽「慌ただしいね〜・・・・」



神楽はいつもの笑みを向けて
煙を吐いた。



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