手のひらを太陽に

□26,逃げ
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丸井くんと別れた後3人でクラスへ戻ったが私の心には靄がかかったようだった。
リボンを渡している場面を目撃した丸井くんの気持ちも分かるがどこか納得いく事が出来ない。




『う〜ん』
「小乃恵は何難しい顔してるの?」
『万里子…ねえ、万里子って好きな子とかいるの?』
「どうしたの急に?」
『え、あ、ほら、村上くんは彼女居るって言ってたから万里子はどうなのかなーって思って…』


「へー、村上って彼女いたんだ!」
『そうなの!私もビックリしちゃった!』
「以外だわー」
『そうだよねー…って話し逸らさないでよ!』
「あ、バレた?」
『…やっぱり言いたくない?』
「そう言うわけじゃないけど…村上と柳には秘密にしてくれる?」
『う、うん…(いま柳くんを強調したよね)』


「実は私「日高さん!佐藤が話しあるってー」…知り合い?」
『ううん?』
「俺C組の佐藤なんだけど今いいかな?」


クラスメイトに付き添われやって来たのは顔も知らない男子。
傍らにいる彼の友達と思えしクラスメイトは心無しかニヤニヤしている。



「話しがあって…一緒に来て欲しいんだけど…」
『えっと、今は…』
「小乃恵、行ってきなさいよ」
『でも…』
「私たちはクラス一緒なんだからいつでも話せるって」
『…ごめんね?』
「良いって!ほら、佐藤くんが待ってるわよ」
『う、うん!ちょっと行ってくる!』




「小乃恵って自分で気づいてないけど何気に人気あるわよね」
「日高は鈍感だから気づかないのは仕方ないだろう」
「柳も苦労するわね」
「…俺ではなく精市に言ってやれ」
「他人の心配より自分の心配したら?」
「何が言いたいんだ」
「うかうかしてたら本当に誰かに取られちゃうって事」
「…」




***


その頃、裏庭にはさきほどの2人の姿。
遠くからは楽しそうに文化祭の準備をする生徒の声が聞こえていた。



「俺まえから日高さんが好きだったんだ…よかったらリボン受け取ってくれないかな」
『え…』
「もしかして日高さん好きな人、いる…?」
『わたしは…』



中学最後の文化祭は波乱の連続だ。





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