手のひらを太陽に

□3,喧嘩
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ここは立海大テニス部、部室。
ホームルームを終えた部員たちは部室へと集まってくる。
俺はいつものように制服から着慣れた黄色いジャージに袖を通してした。


「仁王何かあったのか」
「ああ、柳か。今日ジャッカルが女子に10円を借りたらしいんじゃが名前を聞き忘れたらしい」
「ほう…ジャッカルはそいつの名前を知ってどうするつもりだ?」


「そりゃあ金を返すにきまってんだろ?借りたんだし」
「必要ねェって。たかが10円だろ」
「でも金を借りた事に変わりねェし」
「必要ねぇって!どうせ俺たちだって分かってて関わってきたんだって」


「丸井は相変わらずだな」
「そうじゃな。丸井も少し落ち着きんしゃい」
「でもよ!」


「アイツはブン太が思ってるような女子じゃないと思うけどな」
「だろうな。アイツは媚など売るつもりはないだろ。そもそも俺たちがテニス部だとは知らない」
「は?」
「なんだ?」


「いや、何だって…柳は俺の言ってるのが誰の事か分かるのか?」
「俺だからな」
「…」


「冗談だ。ジャッカルはその女子にパンをあげなかったか?」
「あぁ、昼がないって言ってたから…」
「やはりな。アイツがハーフかクオーターだと言っていたがジャッカルの事だったか」



「なんで柳がその話しを知っとるんじゃ?」
「クラスメートが同じような話しをしていた。
丸井、気になるなら明日ジャッカルと一緒にうちのクラスに来るといい」






「あぁ良いぜ。どうせその女子も他の女と同じだ」






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