手のひらを太陽に

□26,逃げ
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文化祭もいよいよ明日に控えた今日。
各クラスの準備も最後の仕上げと言わんばかりに朝から大忙しだ。



「あ!来たよ日高ちゃん!!」
『行く?』
「行く!」

「幸村おはよう」
「おはよう真田。風紀委員は朝から仕事かい?」
「ああ、こういう時こそ風紀を重んじなければならないからな」
「大変だね風紀委員も」
「幸村も大変だろう?」


ガチャッ…
「はぁ…そうみたいだね」


下駄箱を開けるとそこには赤、赤、青、赤。
もうここまでくると流石の幸村も溜め息が出てしまう。


「『幸村くーん!』」
「!…日高さんと村上?」
「お前たちその格好は…」

『うちのクラスの衣装試着してるの』
「俺はピーターパンで」
『私がアリス』
「『どう?』」
「ふふっ、似合ってるよ2人とも」
「だが、まだ文化祭当日ではないのにそのような格好をするのは」


「堅い事言うなよ真田!」
「このくらいなら良いんじゃないかな?2人とも凄く似合ってるんだし」
「…仕方ない今回だけだ」
「『イェーイ』」


「ところで2人は俺に何か要があったの?」
「そうだ!俺たち立海の七不思議を見に来ました!」
『幸村くんの下駄箱が凄い事になってるって聞いて見に来ちゃった』
「はは、なるほどね」
『それにしても本当に凄いね』

「流石にこれは開けたとき驚くよ…」
「幸村くんも大変だなー」
「勝手に人の下駄箱に物を入れるなんてたるんどる!」
『恋する女の子は大変だね』
「それを言うなら恋する男の子も大変だよ!」


『確かに』
「そう言えば最近丸井の様子が変なんだけど何かしらないかい?」
「いつもの丸井らしくなかったな」
『それが私たちにも良く分からないの』
「最近ぜんぜんF組に来なくなったよな」
「やっぱり何かあったのかもしれない…」
「桑原か仁王に頼んで聞き出してもらおうぜ!」
『じゃあ私は万里子にそれとなく聞いてみるよ』


「作戦実行までもう時間もないしね」




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