僕のとなりに君はいない。

□1. 閉ざされた道
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「私たち、別れよう」

目も合わさずに、
俺の家の玄関で突然彼女が言った。

このセリフは何回も聞いた。














木下晃=B

フラれるのはいい加減慣れた。

理由は俺の浮気。

俺はこいつに恋愛感情なんて持っていない。

「わかった。じゃ〜な」

嘘の笑顔で別れを告げる。

「なにそれ…浮気に関しては
謝りもしないわけ!?」

しつこいな…。

「は?
お前から別れようって言いだしたんだろ。
もう俺たちは他人だから」

バシッ

頬をこれでもかというほど強く叩かれた。

「最低……」
「もういい。さよなら」

にらみながら扉を開け、
足音を立てながら彼女は俺の前から去っていった。


「いってえな…」
おもいっきり殴りやがって。

怒りがこみ上げてきたが、
やつあたる物もないので押さえるしかなかった。



また彼女つくんないとな…

俺は、彼女がいないと落ちつかない。別に好きで付き合っていないけど。



部屋に戻り、苛立つ気持ちを落ち着かせる。




本当は、彼女ばかりつくっている自分はどうかしていると思う。

しかしあの元カノ≠フ存在を思い出すと、止められない。

今でも思い出そうとすると、頭がズキズキと痛む。
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