僕のとなりに君はいない。
□5.私生活
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「…ヘックション!!」
先週風邪をひいた俺。
いまだにくしゃみが少し出る。
今日は、「大公開!芸能人の私生活SP」というバラエティ番組に
ゲストとして出演する。
俺とAYAの二人でドラマの宣伝をするからだ。
「よろしくお願いします」
プロデューサーさんやスタッフに挨拶をしてスタジオに入る。
そこにはすでにAYAが座っていた。
気づいたのか、彼女が近寄ってくる。
「この前はどうも!今日はよろしくね」
「どうも」
「相変わらず冷めてんね〜。少しは笑ったらどぉ?」
…お前に関係ねぇよ!
心の中で呟きながらも、顔には出さないようにした。
「あ!今私には関係ないって思ったでしょ」
「え、そんなことないけど…」
思わず目をそらす。
なんで分かるんだ?
俺の演技は完璧なはずなのに。
「すぐ分かるよー、
顔にかいてあるもん」
ニヤッと笑う。
彼女の言葉に反対しようとしたが、
「じゃぁ本番で!」
そう言って足早にプロデューサーの方へ行ってしまった。