NOVEL・SS

□★愛のコトバ
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カカシからの告白を、頷き一つで承諾した日。
記念に…、と連れて行かれた先は高そうなホテルの
メイン・レストランだった。
キャンドルの灯りが点るテーブルの向かい側で、
グラスを掲げたカカシの唇が発した言葉は






『サスケの瞳に乾杯』






だった。





【愛のコトバ】






(あの時、どうして気付かなかったのだろう)




てっきり慣れない場所で固まってしまった自分への、緊張を解す為の配慮だと
思ったベタな口説き文句は、その後もパターンを変え毎日繰り返されている。
カカシはなぜか恋愛に関して選ぶ台詞の趣味が、とことん悪い男だった。



「サスケはシャイだよね」


「そうでもないが…」



ベットの上、一糸纏わぬサスケの肌をカカシの指がツツッと滑る。



「でも二人きりになると、無口になるじゃない?」



(アンタが答えに困ることしか言わないから)



「でもハニー。愛を確かめ合う時くらい、素直になってよ」


「その呼び方はだけは、よせ」



ゆっくりと覆い被さってくる素顔のカカシは、
堪らなくいい男だとサスケは思う。
ただ…



「これから天国に連れてってあげるよ」



(いっそこの口が、地獄へ堕ちてくれれば!)



密かにそう願うサスケに、テクニックだけは一流だと
思われるカカシの指と舌がフル稼働。
クサい台詞の羅列さえなければそれに溺れることも出来るのに…、
とサスケはもどかしくて仕方ない。



「もっと可愛い声で啼いてごらん」



(つーか、その前に集中させてくれ)



「サスケの蕾が涎を流してオレを欲しがってるよ…」



(今、ローションを垂らした影響だ)



「そろそろオレの熱いマグナムが欲しいかい?」



(寧ろ撃ち殺してやりたい)



心の中で物騒なことを考えるサスケの脚を肩に担ぎ、カカシが己れを宛がった。
躰の中心を一気に貫かれ、こじ開けられる衝撃に
サスケの思考が僅かに途切れる。
漸く行為に没頭できると安堵したのも束の間…、



「オレ達やっと一つになれたね」



うっとりと囁かれ、途端に意識は現実へと逆戻り。
冷えた頭で、もし最初からカカシがこんな路線の男だと知っていたら、
付き合っただろうかと考える。



「オレは海よりも深くサスケを愛してるよ。サスケは?」



すっかり萎えた気分のサスケに気付かず、カカシは自分の世界に浸っている。
けれどまるで子供のように、キラキラと期待に満ちた瞳で返事を乞うカカシを、
不覚にも愛しいと思ってしまう。



(こんな奴だと知っていても…、恐らく、多分、間違いなく…)








(本当に趣味が悪いのはオレかっ!?)






「や・山より、た・高くアンタがすすす・好きだ」



悔しくも観念したサスケは、教え込まれた台詞を気合いで口にする。
恥ずかしさのあまり、がっくりと項垂れるサスケの上で、



「そこはアンタじゃなくて、ダーリンって呼ぶところよ?」



どこまでも痛いカカシが、軽く頬を膨らませた。







【終わってる】


カカサス・バカップルVer.
ホントに痛いのは私だってばよ!←ヤケ

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