NOVEL・SS

□★それしか出来ない
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「オレとアンタは似てるんだろ?」



細い指先がカカシの左目の傷跡を辿り、そのワケは
ここにあるんじゃないかとサスケが言った。



「同じ闇が有るとでも言って欲しい?」



そんなに俺の過去が気になるの?と挑発的に笑えば、
「自惚れんな」と逆に鼻であしらわれる。
床に散らばる服をそそくさと身に纏い、帰り支度を
始める小さな背中。
その手首を捕まえて、再びベットへ引き摺り込めば、
サスケは露骨に眉を顰めた。



「用は済んだはずだろ?」


「そう思う?」



愛想のない台詞に構わず、掴んだ手をカカシ自身へ
導くと、サスケの瞳が微かに揺れた。
すっかり熱を取り戻した塊を掌に感じ、呆れたように
カカシの顔を仰ぎ見る。



けれどもそのカカシの熱はあっさりとサスケの
身体にも伝播し、ぬるりと首筋を這う唇にさえ過敏に肌を粟立たせる。



「また帰らせねえつもりかよ?」


「子供が夜遅くに出歩くのは良くないからね」


「これがガキ相手にやることか‥よ?」



流されまいと軽口を叩く、往生際の悪い唇を奪い
腰骨から中心へと乾いた手を滑らせる。
つい今しがた達したばかりの幼い身体は敏感で、
したたかな態度とは裏腹にカカシの愛撫に堕ちていく。



「‥ふ…ぁ‥」



決して『泊まれ』とは言わないカカシの常套手段。
それを知っていながら、浅ましく流されてしまう慣れた躰が厭わしい。



「アンタは‥卑怯だ…」


「そこがお前と似てるかもね」



カカシのからかうような返事。
一瞬戸惑うような表情を浮かべた後、サスケは「そうかもな」と呟き、
諦めたようにカカシの背に腕を回した。




甘い言葉も真摯な告白も要らない。
ただ残された時間に気付かないふりをして、傷を舐め合う。
終わった闇を引き摺る僕と、未来の闇へと向かう君。







二人、誰よりもよく見える瞳を塞いで――。







【終】

めでたい10万打の御礼文が、恐ろしく根暗なカカサスに(大変!)
でもうすら寒い駄文部屋にには、ある意味一番
合ってたんじゃないかと、最近思う(笑)←とうとう開き直ったか

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