雪の花

□ごめんなさい
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突然訪れた別れの言葉


「彼女が出来たんだ」


突然の告白に眩暈がした。
      吐き気がした。
      泣き出しそうになった。

震えながら出た言葉

「おめでとう」


そんな事少しも思ってないのに
信じたくなかったくせに

後に思えるだろうか
大人だったと。


もう少し一緒に居たかった
もう少しこの幸せを噛み締めていたかった

でもあの子は言った。


「いつかこんな日が来るとは思っていたけど」


それが何故今なの?
心が壊される。
平常心を保った振りして
心の中はぐしゃぐしゃした思いでいっぱい。
泣き出しそうなのを必死に堪えてる。



裏切られた。
裏切られた。
裏切られた。


そんな思いが心を支配する。
「つまらない男になっちまったな…」


また別の拠り所を探さなきゃ。
立っていられない。
泣き出してしまうから。
心が壊れたままだから。


もう会わない。
会いたくない。

突然に告げられたさよなら
それは思いの外、重たかった…。
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