【BL小説】ぬらりひょんの孫

□睦まじ 【猩首】
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「おはよう、猩影」


半分開いた襖から、首無が顔をのぞかせる。
まだ寝ているかなと思って覗いたのだが、当の猩影は、その長い手足をだらりと投げ出して布団の上に座り込んでいた。
どうやら目覚ましどおりに起き上がったが、その先動く気にはならなかったらしい。
首無が部屋に入って猩影に近付くと、猩影は俯いていた顔をあげてぼーっとした表情首無を見た。
もごもごと口の中で何か呟いて、何を言ったのかよく聞こえなかったが、おはようございますと言ったのかなと首無は解釈した。


「まだ眠いの?」


猩影の正面に膝立ちして、小さい子どもにそうするようにその頭を撫でた。
昨日の夜は宴会で遅かったし、もともと朝に弱いと言っていたから無理もない。
猩影がされるがままに頭を撫でられているから、寝癖をなおすように首無は手櫛で猩影の紅混じりの銀の髪を梳いていた。


「猩影、結構寝癖すごいよ」


くすくす笑いながら首無が言う。
それを聞いているのかいないのか、猩影は腕を伸ばしてぎゅっと首無の腰に抱きついた。
一瞬手を止めて驚いた表情をしていた首無だが、自分の脇腹あたりに顔を摺り寄せる寝ぼけ眼の猩影を見て、くすっと笑ってまた猩影の頭を撫で始めた。





「可愛いなあ」







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睦まじ。







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