【BL小説】青の祓魔師

□やっぱり君が好き 【燐雪】
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「好きです」


燐がこの言葉を聞いたのは、ある日の昼休みの、立ち入り禁止の屋上に続く階段にて。
この言葉を言ったのは、いかにもみんなの人気者というような、小柄な可愛らしい女の子だ。
そしてこの言葉を言われたのは、紛れもない、弟の雪男である。
燐が屋上で一人で昼寝をしようと思っていたら、本当に偶然、その屋上に続く階段に、雪男が呼び出されていたのだ。
雪男が何か話し始めたのを聞いて、燐は、何だか聞き耳を立てるのも気まずくなって、その場を離れてしまった。





「ただいまー」
「・・・・・・」
「・・・兄さん?」
「あ・・・おかえり」


その夜。
祓魔師の仕事を終えて帰ってきた雪男に対して、燐はどういう顔をしたら良いのかわからない。


「ただいま。兄さんなんか元気ない?」


燐があの場にいたとは知りもしない雪男は、いつになく元気のない燐に心配そうに問いかける。


「んなことねーよ。メシも風呂もあるけど、どっちがいい?」
「・・・ならいいけど。おなかすいたから先に夕飯食べるよ」


ベッドに座り込んでいる燐の頭をくしゃっと撫でてから、雪男は自分のスペースで着替え始めた。
撫でられた頭をそっと触って、小さく笑ってから、燐は夕飯の支度を始めた。









翌朝、土曜日で燐は休みだが、雪男は祓魔師の仕事があるからと朝早く家を出て行く。
普段ならそのままベッド出寝ている燐だが、今日はしっかり起きて雪男のために朝食を用意する。


「珍しいね、朝早い時は兄さん起きてこないのに」


玄関で靴を履きながら雪男が言う。


「今日はそんな気分だったんだよ」


燐が答えると、雪男はふふっと微笑んだ。


「じゃ、いってきます」


燐の頭をくしゃっと撫でてから、ドアノブに手をかける。


「あ、雪男、ちょっと待って」


燐が雪男の肘を引っ張る。
そして、その頬に軽い口づけ。


「・・・いってらっしゃい」


微笑んだ雪男は、燐の頬に口づけを返して、出かけて行った。









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やっぱり君が好き。







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