nov1

□2.5
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「今日はなまえ休みだってよ」


昼休み、いつものように7組の教室に迎えに来た3バカに洋平がそう告げると、つまらなそうな返事が返ってきた。


「朝からいなかったからさっき電話したら、なんか家の用事だってよ、」


しょうがねーなー、今日せっかくあの作戦を実行するつもりだったのに‥‥ちぇっ

まさか見破られてたのか‥‥‥?

いや、そりゃねーだろ、



ぞろぞろと屋上へ向かう間も、3バカは次の実行日を決めていた。


(はぁ‥‥‥こいつらほんとにやる気かよ、)


なまえがいない寂しさからか、いつもよりテンションの低い花道は3バカの話に混じることもなく洋平の隣を歩く。


まぁきっと実行の日になれば、花道も意気揚々と作戦に加担するんだろうな。



洋平は呆れたように思いながらも、皆で屋上のいつもの場所に座りながらなまえ抜きで昼飯を食べ始めた。





いつもより少し静かに、少し早めに食べ終わった洋平は特にこれといってすることもなくぼーっと煙草を咥えていた。


3バカは次の自習の時間に、例の拉致作戦の計画を変更するから、と花道を連れ立ってどこかへ行った。



拉致作戦が気にならないと言えば嘘になるけどな‥‥‥


なんだかひっかかる。



まぁ元々なまえ自身、変わった奴だから気になることも多い。バスケ部の見学を拒む理由だって気になる。





なまえはどちらかというと目立つほうだ。黙ってりゃ顔だって可愛いし、ちびで幼い。(本人は嫌がってっけど。)


俺たちも人のことは言えないけれど、制服だって着崩す、という比じゃない。きちんと学校指定の物で身に着けているのはスカートくらいだ。


猫の耳みたいなのがついたパーカーを着てみたり、膝の上まである靴下を履いてみたり、好き放題やってる。


それに、つまらないのか授業もろくに聞かずに居眠りしたり。



けれど不思議なのはここだ。


隣で眠る花道には怒りをぶつける先公も、なまえのことは知らん振り。


気に入られているのか、呆れられているのかその真意は分からないが、


「またみょうじは‥‥‥‥」


そうぶつぶつと呟かれるだけで、怒鳴られたことなどない気がする。



(わっかんねーもんだなー‥‥)



いくら考えてもわからないことだらけで、面倒になった洋平は、ふと拉致作戦の進行具合が気になって、まだ吸いかけの煙草をコンクリートに押し付けてから、野間に電話をかけながら屋上を後にした。



(まー、まだ出会ってすぐだもんな、)



end


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