機械世界

□どれだけ好きと伝えても
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お前は何故離れようとする
俺が一歩近づけば一歩退く
いつものお前なら、堂々とそこに立ち退く事さえもしないはず…なのに
どうして今はそんなに離れていく?

まるで何かに怯えるように



「01」

『?どおしたのサっちゃん?』

「その名で呼ぶな」

『じゃあサイサリス』

「……」

名を呼べばいつものように何故か気に食わない名で呼ぶ
何故そっちで呼ぶ
そうじゃない
そうじゃないんだ

「いつ…返事をくれるんだ?」

『……』

そう言えば01は目を細める
そして何時ものように返す

『だからその想いには答えられないよ』

ニコリといいながら告げる01に02はため息を吐く
何時もそうだ
それは返事ととってもいい答え
しかし曖昧でもある答え…
01はあえてハッキリとは言わない
嫌いなら嫌いだといえばいい
答えられない
なら、何故…避けない?
気持ち悪いのだと、言えばいい
何故そんな簡単な事もできない…
だから02はいつも聞くのだ
返事をいつくれるのだ?と
すると何時も同じように01は言う
その想いには答えられないよ、と…

「…何故だ?」

そう問えば01は返す

『何ででも』

静かに告げる
01は瞳をこちらに向ける
02ろ目が合う
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