機械世界

□悲しいけど
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聞いてみたがフメツは無言のままだ
ただ笑顔で黙っている

「フメツ…?」

『…いや、俺の過去なんて全然面白くねぇぜ?なんせ俺は平和主義だからな!』

「ちょっ、ま、まぁ…そうだが…」

『だから気にしたら駄目だぜ?』

ケタケタと笑うフメツ
しかし一瞬だけ見えた悲しくて苦しそうな表情をマークUは見逃していなかった
マークUは少しきびしい表情でフメツを見る
その様子に気づいたのかフメツはマークUを見る
どおしたんだ?と問うとマークUは言う

「本当に言わなくていいのか??言って…スッキリしたほうが…」

『……』

フメツが目を細める
何故、言うの?
苦しくて忘れてしまいたいのに
何故だ?
やめろ、触れるな

『…人の過去なんざ知っても意味ねぇよ…。特に俺みたいな奴のな…』

明るく言っているはずなのにフメツの言葉には苦しさと悲しさが混じっている
マークUは何故?と自問自答を繰り返す
言えばスッキリするはずなのに
フメツはまさか…

それ程俺らに気を許していない?

ゾクリとした感覚が全身を駆け巡る
そう思うだけでフメツとの距離が広がった気がした
普段これだけ勝負して笑いあっていても実際はそんなに近い距離ではない
マークUは俯く
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