機械世界

□会って 抗って 聞こえなくて
3ページ/6ページ

遠のいた意識がハッキリとしてくる
目を開けば見えるのは天井

あ、れ?
俺はさっき…

森で

「気が付いたか?」

『?!』

バッと反射的に布団を投げ、壁際まで移動する
片手には刀を持っていたはずなのに無い
奪われた?
チッと舌打ちして目の前にいる相手を睨みつける
しかし、一瞬の眩暈に体が傾く
あ、やばい

衝撃はこない
否、誰かに支えられている
ハッキリとしてきた視界
瞳だけを動かす

「大丈夫か?」

『……』

返事はない
ただ向けていた瞳がそれる
綺麗な瞳だった
劉備は思う

「俺は劉備ガンダム、君は?」

問えばそのMSはまた返事を返さない

『…俺にかまうな』

劉備から離れ、睨みつける
人と関わりあうのは面倒だ
嫌いだ

嫌いだ
どうせ……無意味だから

壁の隅に立てかけられている刀を持つ
血がこびりついている
乾いて黒くなっている、これは…
先ほど森で通った村人を殺した証

(また、幽愁か)

いつものように表にでて殺すのが好きな
幽愁

今は

荊州
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ