音速世界
□好きですか?
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黄色い針鼠、サンダーは目の前にいる針鼠を見ている
その針鼠、アイスはソファーに座って本を読んでいる
サンダーはジッと何もすることなくただアイスを見ている
その視線に気づいたアイスはサンダーを見返す
『…なんだ?』
本を閉じぬままサンダーに言う
サンダーは言う
「…別にー」
表情を変えずに言うサンダーにアイスは首を傾げるがすぐに視線は本へと注がれる
それが気に食わないのかサンダーはムッとしたような表情になる
「アイス」
名を呼ぶとアイスは無言
反応を返さない
それに少し苛々するサンダー
「アイス!」
『……なんだ?』
心底呆れたような目で見てくるアイス
本にしおりを挟み閉じる
話しを聞く姿勢
「あの、さ…、アイスは俺の事好きか?」
『…………?』
首を傾げるアイスにサンダーは少し焦ったかのように言う
好きなのか?と
するとアイスは間を空け答える
好きだ
と
しかしサンダーは納得できなかった
何故ならアイスは表情を一つも変えずに答えたからだ
それが不満だった
「嘘」
サンダーは目を細め言う
するとアイスは何処かこわばった表情をする
あれ?
そう思いサンダーはアイスの名を呼ぶ
『…嘘で好きとかいえるかよ…馬鹿』
少し赤くなって言う
サンダーはその表情を見てつられて赤くなってしまう
何だってこんなに可愛いのだろうか
抱きしめたい
そう思った