宝物

□「オレはオマエを愛してる」 『ボクはキミを愛してます』
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とりあえず公園に移動して、ベンチに3人揃って座る……
ちなみにモミジは公園で
自由に遊ばせる事にした

「で…??アンタら名前は?」

桜丸は腕を組みながら2人に問いかける
何しろ初対面だ…解らない事が多すぎて困る…

特に解らないのがさっきから一言も喋らない
仮面半分の緑MSなんだが…
そいつは置いといて、
まずはこの翼の生えた
フメツバカに((!!話を聞くとした…

「オレ??オレはデスティニー、
フメツとは歩いてたら道でいきなり勝負挑まれて…
そっからなんか好きになった!!」

桜丸は『なんか』が一瞬気になったが…
いちいち突っ込んでたら面倒なので、深く考えない事にした…
考えると頭痛が…((ry

「はいデスティニーはんね…
で?そっちの緑のは??」

いよいよ緑のMSから話を聞く桜丸…


「……………」



「………………」



「…………………」



「………………………
Σ喋れやッッ!!!;;」

桜丸のツッコミにも
まさかの無反応で返す…
緑のMSはとことん沈黙を続ける…
まるで石像だ……

するとデスティニーと言う名のMSが桜丸に話し出す

「あー聞いてもムダだよ
ソイツ絶対喋んねーからさ」

「こいつはヘビーアームズ、
ガタイの割にシャイっつーか暗いっつーかさ…
とにかく変なヤツ!!
こんなんよりもオレの方がフメツに合っt」

「ヘビーアームズはんね、
ハイハイ。
で、アンタはフメツはんの何処にホレたん??」

桜丸はデスティニーの余計な話を遮り、緑の…基
ヘビーアームズにもう一度話を聞く…

「ちゃんと答ぇな?
せやないとウチ相談聞いたらんで?」

桜丸は目を細めながら
少し厳し目に言う…

するとヘビーアームズは
眉間にシワを寄せて難しそうな顔をしながら喉を振り絞る…


「…ま…つり……っ」


「ん…?まつり?」


「おま…つり…で…
みか…け…た……っ///」


「お祭り……
確かフメツはんと病院を退院した日に神社の夏祭りに行ったっけど…
あん時見かけて一目惚れしたっちゅう事?」

そう聞くとヘビーアームズは
コクリ…と小さく頷いた…

「けっ!フメツに話しかけた事も無いクセに一目惚れかよ…」

デスティニーはヘビーアームズの頭をはたき、勝ち誇った様にこう続けた…

「オレは本気でフメツの事が好きだ、愛している、
オレならフメツを何時でも笑顔にしてやれるぜ?
面白い話して…
好きなだけ勝負して…」

「けどオマエは?
ずーっと黙ってて、
笑ったりもしないでよ…
そんなオマエがフメツを笑顔に出来るのかよ??
フメツが一緒に居て楽しいって思えるのかよ??
オマエなんか
手品が出来なきゃ
タダの暗いヤツじゃんか???」

槍の様に突き刺さるデスティニーの毒のある言葉に
ヘビーアームズは眼を伏せ
弱々しく顔を俯く…

掌をぎゅっと握り締め…


かなり刺々しい言い方だが、それほどデスティニーは
ヘビーアームズに嫉妬していた…
いつも無口なヘビーアームズにフメツは明るく話しかける…
自分とは違う優しい声で…
まるで子供をあやす様に…コイツにだけ…


フメツを取られたくない…


その気持ちは誰にも負けないし負けるつもりも無い、

最低だと言われても良い

姑息だと言われても良い


オレはフメツが欲しいんだ…


ヘビーアームズを睨み付ける
デスティニーの頭を
桜丸はポカリと殴る

「コラ!やめろや弱いイジメみたいやんか!?
暗いヤツとか言っとるけど別に楽しいとか楽しくないとか思うのはフメツはんやんか?
それをアンタがぎゃわぎゃわ言う事や無いやろう?」

「言っとくけど…
フメツはん、そう言うヤツが一番好かんのやで?!」

デスティニーを指差し説教すると…デスティニーはシュンと項垂れる…
まるで母親に叱られた子供の様に……

桜丸は一度溜め息を吐くと、2人に対して再び語り出す…

「大好きな人の事を好きになって優しく接したりするんは当たり前やと思う…けどな?
好きになった人の事だけにデレデレするんやなくてやな…
回りの友達や他人とかも好きになって
誰にでも優しく出来るヤツが男でも女でも、
人としてカッコいいし
素敵な存在やと思う。
近くの誰かを好きになれないヤツが
自分の事を好きになってもらえる訳がないやろ?」

「フメツはんが振り向く振り向かんとかやなくて、
まずは自分が変わらんと何も進まないんとちゃうん??」

そう言うと
デスティニーは眼を細めて下を見ていて…
ヘビーアームズは黙って…
しかし何かを感じた様な眼で桜丸を見ていた…
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