捧げ物

□亀裂は仲を引き裂く
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ガキィン!
少しどんよりとした曇り空の中、二つの影がぶつかり合う音が響く
片方の影はフメツ、もう片方の影は桜丸だった
どうやらフメツが誕生日にあげたビームサーベルを桜丸は使って勝負をしている
と、言うかフメツが勝負を持ちかけたのである
折角やったのだから使ってもらなければやったかいがないと言うものだ
キィン!!
桜丸の持っているビームサーベルが空高く飛び地面に突き刺さる
フメツがニヤリと笑う

『5勝0敗…俺の完全勝利!』

「あぁあああ…!!また負けてもうたぁ〜!!」

悔しがるようにする桜丸をフメツは鍛えてないからだ!と一括する
5回勝負してフメツが完全勝利を収めた
地面に突き刺さっていたビームサーベルを取り桜丸に渡す
まだ悔しそうだ

「なしてそげん強いん?昔…何かやってたん??」

そう聞けばフメツは笑顔のまま無言になる
少しフメツの周りが冷たくなったのは気のせいだろうか?
桜丸は首を傾げる
どおしたのだろうかと思うが桜丸は深く気にしなかった

「あーぁ…、ウチもフメツはんみたく強かったらえぇんに…。強かったら仲間も寄ってくるし…」

フメツの顔色が変わる
瞳がぶれる
息が苦しくなる
やめろ、やめろ…!!!

「誰かも守ることもできるし…、それに嫌な奴もコテンパにできるやんな!」

ズキズキと痛み出す頭
喉が焼けるように熱い

「ウチ、ほんまに」

「フメツはんが」

「羨ましいわぁー…」

目の前が暗くなった気がした
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