捧げ物

□望んでいいのですか その光に手を伸ばしても…
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周りが暗い
これは…夢?

周りを見渡しても黒い
周り一面が黒
これほど奇妙な世界があるだろうか?
そんな世界に一人ポツンとフメツが立っていた
そして繰り返される自分への自問自答…

『何で…何で俺は人を傷つける事しか出来ないんだ…』

しょげたように言うフメツ
そんなフメツの目の前にもう一人、現れる
赤い目をしたもう一人の自分
暴走の人格

『俺は勝負が好きだ、誰かと勝負してる中での駆け引き、強い奴との勝負した時の爽快感。だけど…争いは嫌いだ…殺しなんて…誰かを傷つける事なんてしたくねぇ…!』

そおいえば赤目のフメツが言う
それは綺麗事か?と
パシャリと水がはねる

「本当は傷つけて殺したいんだろ?仲間も敵も全て標的、ゴミ。俺に殺されて真っ赤に染まる…クハハ!!楽しいじゃねぇか…全部むかつく奴も全て…真っ赤に染まってしまえばいいんだ」

『違う!!!俺は…!!傷つけたく…!』

体を縮めるフメツ
苦しそうに息を吐く
そんなフメツに赤目のフメツは笑って言う

「強がるのか?裏切り者のくせに…、どうせ信じてもなかったんだろあいつらなんて。俺を裏切り者と思ってる奴らも全ていけすかねぇ…。何なら最後まで裏切り者でいようぜ??真っ黒に染まってしまえば俺もお前も楽になれるじゃん」

『黙れ!!!黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!消えろ消えろ消えろ…!!お前なんか消えろ!!!!』

拒絶するかのように言うフメツに赤目のフメツは目を細める
何も分かっていない
俺はお前の中に存在するのだから
もう俺らは一つなんだ

「俺は消えない、俺はお前、お前は俺なんだから。二人で一つ、それはフメツガンダムなんだからな」

『もう嫌なんだよ!!消えてくれよ…!!俺を…自由にしてくれよ!!もう一人は嫌なんだ!!孤独は嫌なんだ!!もう誰も殺したくない!!!!』

叫ぶように言った言葉に赤目のフメツが一瞬笑った気がした



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