コラボ小説

□信頼さえも裏切って
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嫌な任務が回ってきた
もっともフメツが嫌う任務が…

朝早くから上官に呼ばれ来て見れば…目の前には総司令官ときたもんだ
ん?どおいう状況だ??
フメツは面倒そうに目を細め、上官と総司令官を見やる

『…何?』

上官が嫌な笑みを浮かべている

「喜べフメツ、お前とお前の後輩…黒蘭に任務が回ってきたぞ」

喜べ?何をどう?

『任務?…俺は争う任務は嫌いなの知ってるよな?上官さんよぉ?』

睨みをきかせ上官を見やるフメツ
そんな事を気にしないかのように話しを進める上官
あぁ、面倒だ
総司令官はフメツを見、口を開く

【行け】

ただその一言
その一言がフメツは逆らえなかった
だから頷くしか出来なかった
何て、無力なのだろうか…
結局は逆らえない


任務の内容は簡単に書かれていた

《戦場にいる敵を一掃せよ》

簡単に言ってくれるものだ
今回の敵は三桁はいっている
しかも新兵の黒蘭がいるのだ
下手すれば黒蘭が負傷してしまう可能性だってある
ましてや仲間がどれだけ減るのか分からない
どれだけの犠牲が出るのか…分かっているのだろうか?
フメツは壁を殴りつける
音が響き、壁に罅が入る
ただ鋭く睨みつける先に何が映っているのか
それは誰にも分からない

「フメツ伍長」

誰かが名を呼ぶ
知っている声色にフメツは振り返る

『…黒蘭』

今では少しだけ頼れる相棒として隣に立つ黒蘭
新兵ながら実力をつけ、今では好成績をたたき上げた
影ではあの平和主義者と何でいるのか分からないだとの事…
確かにそうかもしれない
しかし誰も知らないのだ
この平和主義者のフメツがある実験により変わった事を……

「フメツ伍長、次は何をするんだい?」

どうやら一人で受けた任務は成功したらしい
少しばかり笑みを浮かべ近づいてくる黒蘭にフメツは苦笑を返す

『次の任務…か、黒蘭、次の任務は気をぬけねぇぜ?』

「?どんな任務なんだい?」

『……戦場にいる敵の一掃を`俺ら'に任された』

「…え?」

フメツの言葉を聞き、目を見開く黒蘭
敵の一掃?
俺等?
まさか……

「僕等…二人で…?」

『ご名答』

ニッと笑うフメツに黒蘭は絶望したかのように顔を青くする
あぁ、やっぱ普通ならこうなるよな
フメツは脳裏で呑気にそんな事を考えながら目を細める
さて

どうやって黒蘭と仲間を死なせずに守れるか

俺の実力で
何処までやれるか…

『黒蘭』

「…?何…だい?フメツ伍長?」

少しだけびくつく黒蘭に苦笑するフメツ
ポンッと黒蘭の頭に手を置くと
また笑う

『俺が守る』

だから、安心しろ
怖くねぇよ

ゆっくりそう告げると黒蘭は何処かムッとした表情になる
守られるのは性に合わない
そう言うかのように

「フメツ伍長、僕は君の背を守れるくらい強くなったんだ」

『お前が?』

「そうだ、だからフメツ伍長だって安心してくれないと困る」

不満足そうに告げる黒欄に苦笑しか零れない
あぁ、たく…
お前って奴は
どうしてそう真っ直ぐなんだ

『そっか…なら俺の背は任せたからな黒蘭』

「あぁ!任せてくれ!」

笑みを浮かべながら言う黒蘭に微笑む返して頭を撫でると照れている黒蘭
餓鬼かよ

『行くか』

「そうだな」

二人は笑い合うと通路を歩いていく
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