・novel-恋愛革命-先生-・

□プロローグ・出会い
1ページ/7ページ

2004年4月 春。

真新しい制服を着て、カバンを持ち少女は大きな声で言った。

『お母さん。行ってきます!!』

仏壇の上にある写真に向かって微笑むと、家をそそくさと出て、ドアに鍵をかける。

まだ咲いてもいない桜の木を見上げながら、夏は走り始めた。

膝下の長さのスカートをなびかせながら、春の匂いを堪能する。

そんな夏を遠目に見ながら、少年は声を出す。

『夏!』

声をしたほうを見て、笑顔を見せる夏。

『ちょっと遅れちゃったかな?』

ふざけて笑う夏に、一は苦笑いで答えた。

『ううん、俺の親が遅れるから先行ってろって。親が子供より遅れるとかまじねぇよ。』

『あはは、ならー先行ってていいんだぁ。』

『うん。はやく行かなきゃ遅刻になるしさ、、』

二人はかけ足で学校へと向かった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ