・novel-恋愛革命-先生-・
□プロローグ・出会い
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2004年4月 春。
真新しい制服を着て、カバンを持ち少女は大きな声で言った。
『お母さん。行ってきます!!』
仏壇の上にある写真に向かって微笑むと、家をそそくさと出て、ドアに鍵をかける。
まだ咲いてもいない桜の木を見上げながら、夏は走り始めた。
膝下の長さのスカートをなびかせながら、春の匂いを堪能する。
そんな夏を遠目に見ながら、少年は声を出す。
『夏!』
声をしたほうを見て、笑顔を見せる夏。
『ちょっと遅れちゃったかな?』
ふざけて笑う夏に、一は苦笑いで答えた。
『ううん、俺の親が遅れるから先行ってろって。親が子供より遅れるとかまじねぇよ。』
『あはは、ならー先行ってていいんだぁ。』
『うん。はやく行かなきゃ遅刻になるしさ、、』
二人はかけ足で学校へと向かった。