・novel-出撃!探偵部-・
□宝探し
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『その宝は、本当に大きなモノで、お金にも変えられない。心に響く宝物』
誰もいない、放課後の図書室。
今日の活動はここ。
菜摘に、デミに、澤田弟。
澤田逹は、野球部で欠席。
あたしは三人の顔をみてから、ゆっくりと手紙を置いた。
『コノテガミガナンアルカ…??』
そう。
あたしが今読んだ文章。
ノートの切れ端に、こう書かれている。
この学校にある、大きな宝物。
空が近くて、海が近くて、全てが小さく見える。
その宝は、本当に大きなモノで、お金にも変えられない。
心に響く宝物。
あたし逹だけの宝物。
ひろみ
この手紙を見つけた時、頭に激しい頭痛がきた。
そして、色々な事がごちゃごちゃになって、宝物が知りたくて知りたくて、しょうがなくなった。
澤田弟は手紙を手に取って、マジマジと見てから口を開く。
『この手紙はさ、どこにあったの?』
『1980年の、卒業文集に挟まってた』
1970年から、去年まである卒業文集。
たまたま手に取った卒業文集が、1980年で、たまたま手紙が挟まってた。