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□eps.6 LMN+彼女
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私がロジャーの部屋に入ると
ふたりの幼い少年は驚いたような、
すこし間の抜けた顔をしてこちらを見ていた。
正確には私ではなく彼女を。
ブロンドの髪をした少年は
その両手に食べかけのチョコレートを持っていて口の周りもチョコレートで汚している。
銀髪の少年は
私が彼の誕生日に贈ったパズルを進めている途中のようだった。
「こんにちは。ニア、メロ」
メロはもう駆け出していて、
私の隣のマキアの足元まで来ていた。
その小さな少年の服を
ひょいと摘み、持ち上げた。
「メロ、ご褒美はマキアではないんです。」
そんな私の言葉を聞いているのかいないのか
宙に浮いたような格好になったメロは
さっきまでチョコレートを持っていた小さな両手で
マキアの顔を挟んで
目も口もぽかーんと開けて彼女を見ている。