怪談カフェへようこそ
□第一叫・テケテケの怪
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カラン、カラン
金属の無機質な音がカフェ『ANGEL』に来客を知らせる。
その音をきいて茶色のエプロンをした黒髪の少女が奥から姿を現した。
「いらっしゃいませ、一名様でしょうか?」
凜とした声で少女は言った。
その問いかけにやって来た人物は俯きに小さな声で
「えっと…ここにくれば、相談できるといって…」
と言った。最後に「幽霊の…」と言葉を濁して。
しばらくその少女は黙っていたが、ゆっくりとニマッと笑った。
「かしこまりました、お客様。今、特別テーブルにご案内致します。どうぞ奥へ…」
第一叫・テケテケの怪